熱血講師のプロフィール

ステンドグラスの修復

[テキスト版]
2013/11/17

さて、さて、 教会のステンドグラスの修復 のレポートを 11/5 からお伝えしていて、やっとステンドグラスの修復のところまで来ました。

   
実際、修復方針の決定と取り外しまでが長かったのですが、ステンドグラスの修復も一番時間のかかる作業なので、現場で、「斫り」 や 「養生」 をしている間も、修復チームは着々と作業をしていました。

     

     
しかし、時は9月中旬。

9月中旬は一年で一番忙しい時期。
よりによって仕事が9月に集中してしまった…
「忙しい時に忙しい仕事が重なる…」 これ、なんという法則だろう?

     

ステンドグラスの修復は、
「腐食して薄くなったガラスを新しいガラスで切り直して、オリジナルと同じように絵を描いて焼き付けて、新しい鉛線で組み直して…」
というのが、「修復」ですが、今回は、

割れている箇所だけ、新しいガラスに取り換え、ほとんどのガラスはそのまま使えたのでよかったです。

2年後だったら、おそらく現存のガラスは酸化が進み、使えなかったと思われます。
         

ステンドグラスの修復過程をご紹介しましょう。

     
[画像1]

この窓は、左の写真ではわかりにくいですが、内側に向けて大きく反りかえり、あちこちが割れていました。

何かがぶつかったのでしょうか・・・ 激しく割れていました。
     

  [画像2]    

ギザギザを描いてテープを貼ったところが、割れていた箇所です。

このパネルは、このほかにも、あちこち割れていました。

[画像3]

     

     

[画像4]

ガラスを組み上げている鉛線からガラスを外し、すべて解体する。

     


 

      

[画像5]バラバラに解体したガラスを並べます。

 

今回の修復は、

「割れている部分のガラスのみ、切り直す」

ことにしました。


       

     

割れたガラスと同じ色、同じ風合いのガラスを探して、ガラスをカットします。

この教会のステンドグラスは、高価なアンティークガラス (アンティークな手法で作られたガラス) がふんだんに使われています。

既に、廃番になっているガラスもありますが、世界には、ドイツのランバーツ社やフランスのサン・ゴバン社などのように、手吹きでアンティークガラスを生産している会社がありますので、同じような色合いのガラスは入手できます。

       

オリジナルと同じ色のグリザイユ(絵の具)で、同じように絵を描きます。

     

[画像6] [画像7]

     

絵を描いたガラスを、窯で600度ほどで焼き付けます。

一昼夜たって、窯が冷えたら取り出して並べます。

違和感なく焼成できたか確認し、違和感があれば、もう一度描き足してまた窯に入れて焼成します。

     

[画像8] [画像9]

     

     

鉛線は、幅が5mm、10mmというように多くの種類があります。

オリジナルと同じ太さの新しい鉛線で、ガラスを組み上げ、半田付けをします。

ガラスと鉛線の間にパテを詰めて、馬ブラシで磨き、出来上がり。

     

[画像10] [画像11]

      

もともと、ステンドグラスは修復しながら維持していくことを前提に作られています。

鉛線が古くなって、ガラスを支える力がなくなる前に、このようにして、鉛線を取りかえれば維持していくことができます。

     

下の窓に、ステンドグラスを取り付ける際、外側には、当てガラス (フロート3mm) をあてがって取り付けました。

 

※ 当てガラスに関しては、11/5付けのブログのコメント欄 をご参照ください。

 

[画像12]

     

・・・と、まぁ、一枚を直すのに、これだけの手間がかかります。

     

           


     



上に戻る
前の記事
ガラスクリップってご存知ですか? [テキスト版]
2013/11/13
次の記事
窓にはめてあるまま修理 [テキスト版]
2013/11/18

HOME
HOME

文章中の画像はクリックすると拡大できます。

Powered by
nu-face B-AGE