ガラスメーカー(1) ココモ
「ガラスの事を教えてください」と言ってノートを開いて待つ生徒さん。なんて熱心な生徒さんなんだ!
熱血心を燃えたぎらせるなぁ!
それはね、「ココモ」というメーカーのガラスですよ。皆さんも一緒に聞いてくださいね!
ココモ(Kokomo Opalescent Glass)は、米国 (Indianapolis州) のガラスメーカーです。アメリカ最古参のメーカーで、L.C.ティファニー、ラファージュなどとも直接関わった歴史を持つ、オパルセントガラスの産みの親! 的な会社です。
ガラスに、K、KO、KG、KOGなどから始まる番号がついているのが、KOKOMOです。
K: キャセドラル
KO: オパルセント
KG: キャセのグラニト
KOG: オパルセントのグラニト
など、透け方や肌合いによって附番されています。
● 本社サイトの Tour the Factory
こちらでは、ガラスを作る様子の写真がご覧いただけます。
それまで、アンティークやキャセドラルといった透けるガラスばかりでしたので、ココモのオパルセントガラス、つまり乳白のガラスの登場でステンドグラスは大きくかわることになりました。小川三知氏がアメリカで研修して日本に帰って来た頃の書物などを読むと、「ココモを“ふんだんに"使いました」 という表現が見られますので、「ココモのオパルセント」がいかに、新しく、高価だったかがわかります。横浜開港記念開館の修復見学に行った時も、「鳳凰のパネルは『ココモホワイト』で作られています」、と得意げに?に説明していたっけなぁ。
いまでこそオパルセントは種類が増えて、「オセアナ」、「ウルボロス」、「ブルザイ」、「ヤカゲニー」… と高級アートガラスが増えていますが、当時はオパルセントといえばココモだったのでしょうね。
少なくとも、今は、ココモはさほど高価なガラスというイメージではありません。でも、「あぁいった色は、ココモでないと!」、「これにはココモのあのガラス」という人気のあるガラスは多いですね。でも、展覧会に出す作品に使うかと言うと・・・ たとえば第28回 びどりを展の出品作の中で、ココモを使っている作品はほとんどないかなぁ・・・ だけど、即売コーナーに並んでいる小物にはココモがたくさん使われている・・・。上級者より、初級者、中級者にはオススメしたい、 そういうカンジです。
ガラスを選ぶ!(1) (2008.6.2) 〜(6) まで、ざっとガラスのことを紹介してから、もうすぐ一年になってしまうんですね。 ガラスメーカーのことも、ちょっとづつお伝えしていけたらと思います。