ナラの木(ガラスに詩を彫りました)
東日本大震災のあと、被災者を応援する詩として広がった「ナラの木」という詩があります。インターネットで 「がんばれ ナラの木」 と検索すると出てくると思います。
アメリカのダイアナ・ドーンクライダー(Diana Doan-Crider)さんの 『The Oak Tree(ナラの木)』 という詩で、2011年4月に盛岡タイムスで紹介されたのがきっかけとなって、東北の各地方の言葉で詩を訳され、いまや26の地方訳に加え、ポルトガル語、スペイン語、ブータン語と訳されて、広がりをみせているそうです。
昨年この詩にインスパイアされて、ステンドグラスのランプを作った際、陸前高田出身のHさんとNさんに頼んで、気仙地方の方言訳にしてもらいました。
THE OAK TREE A mighty wind
Then snapped its boughs
But still the oak tree
The weary wind
The oak tree said,
But I have roots
for you see,
Until today,
But now I've found,
Johnny Ray Ryder Jr. (Hallmark Inc., USA) | ナラの木 てぁした強い(つえぇ)風っこ吹きあんした
木の枝も むげるぐりぁでがんした
んでも土(ちぢ)さ
こやぐなってしまった風っこは
ナラの木は返事したど
んでも おらには土(ちぢ)さ
わがるべ
ほんとは今まで
んだども いまおかげで わがりぁんした
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この詩をガラスにサンドブラストで彫り、「慰霊」、「鎮魂」の気持ちを込めてランプを制作しました。当初、被災した方々を励ます意味で制作しようと思ったのですが、経験したことのない恐るべき規模の災害に、自分自身に 「落ち着け、落ち着け」、「しっかりしろ!」と呼び掛ける作品になりました。
2011年9月 第31回びどりを作品展 の会期中は、方言訳をランプの横に置いて読んでいただきました。
↑ ラピッドマスクを使って、詩をガラスに彫りました。
ランプは次回のブログでご紹介しますね。