ガラスクリップってご存知ですか?
11/5からお伝えしている 教会のステンドグラスの修復 のもようですが、今日も小ネタを。
これ何だと思いますか?
タイトルを見れば、「ガラスクリップ」 でしょ?
と、すぐにわかってしまうと思いますが、これはガラスクリップというものです。
スティール窓(鉄窓)に取り付ける際に、仮止めするためのクリップです。
窓枠から白パテを 「斫る」 (取り除く) と、写真のように、ガラスクリップが出てきます。
いろいろな業者さんに問い合わせて探してもらったのですが、現在は、製造されていないので、もう手に入りません。
誰かの倉庫に眠っていませんか? と探し回ったのですが、「もう使わないからなぁ…」 と言われるだけです。
ですから、これを失くさないように取らなくてはなりません。
上の写真で、ガラスクリップが白パテの中に埋もれているのがお分かりになるでしょうか?
このあたりに、ガラスクリップがあるはず、と注意して斫っていきます。
ところが、これはバネ状になっていますから、取り外す時に気をつけないと、ピーンと飛んでいってしまいます。
職人さんたちが、気を付けてガラスクリップを 取ってくれました。
私たちが、飛んでいってしまったガラスクリップを、這いつくばって探しているのを見て、他の工事の職人さんも見つけると保管しておいてくれるようになりました。
皆さん、ありがとう!
ガラスクリップは鉄で出来ていますが、白パテの中に埋もれていたので、錆びていません。
(ちなみに、スティールサッシも、白パテに埋もれていた部分は錆びていません。これが、白パテ施工での最大の長所かな。)
ガラスクリップを大事にとっておいて、石油につけて汚れを落とします。
石油に漬けておくと汚れが落ちるだけでなく、今後シリコンで施工した時に、シリコンがからみつかなくなるので、次に取り外した時に再使用できます。
晴れた日に石油の中から取り出して乾しておいたら、突然のゲリラ豪雨で水浸しになり…
また、やり直したり・・・
ガラスクリップには苦労しました。
←の写真は、スティールサッシから白パテを斫り、ステンドグラスを取り外したところですが、小さな穴が一ヵ所あるのがわかりますか?
この穴に、ガラスクリップの片端ををひっかけて、もう片端でガラスを押さえて、スティール窓(鉄窓)に取り付ける際に、仮止めします。
若い斫り職人さんは見たことがないようでした。
(ちなみに、若い職人さんは、白パテを斫る道具すら、持っていないので新しく買っていました)