お子さんの描いた絵をステンドグラスに
先日、息子さんへのプレゼントにしたいと、ステンドグラスパネルの制作の依頼を受けました。
しかも、「お子さんの描いた絵をステンドグラスにできないか?」 という、お母様からの素敵な提案です。
少々、ステンドグラスにするには、難しい絵でしたが、そのお母様の心意気に打たれて、二つ返事でOKしました。
左の写真が、息子さんが描いた原画のコピーです。
(賞をとって、どこかに飾られているので、原画は手元にないとか…)
「おもしろいは」 と左上に描かれているこの絵は、息子さんが小学校2年の時に歯をテーマに描いた絵だそうです。
まずは、原画の上にトレーシングペーパーを置いて原画を写します。
歯の一つひとつに顔が描かれていて、それぞれに表情があり…
虫歯の「虫」? がいたり、それを治療? していたり・・・
目にはうっすら涙が滲み・・・
手には歯磨き粉と歯ブラシ。
線の描き方も立体的で、細部まで、よく描かれています。
楽しい絵だわ!!!
それから、ガラスをどう切り分けるかを決めて、ガラスをカットします。
仕事を受ける時に、「ガラスをどう切り分けるか」 を、まず頭の中でグルグルッと考えます。
今回は、すぐに、何となく想像できたので、仕事をお受けすることにしました。
この時点で
「歯は、サンドブラストで白くしよう」
「髪の毛は、絵付けしよう」
「背景は、このあたりはサンドブラストでぼかし、このあたりはエマイユ彩色し・・・」
と頭の中で、全体像が組み立っています。
ここで、私の中では、ステンドグラスとしてほぼ完成しています!
サンドブラストし、絵付けして窯に入れて焼きます。
窯から出して、鉛線でガラスを組んで、半田付けをし、パテを詰めて、磨いて完成です!
今回、お客さまからの注文で、ポイントの一つに、
「昼間は自然光で。夜はライティングしたい。」
というご希望がありました。
ステンドグラスは自然光で見るのが一番ですが、夜は外からでないとステンドグラスを見ることができません。
夜はライティングすれば、室内で楽しめます。
ですから、「昼間は自然光で。夜はライティングしたい。」
というのは、とてもすばらしい提案なのです。
もともとステンドグラスがお好き、という今回のお客様ならではの、ご希望です。
そこで、特注の木枠を注文制作しました。
自然光では、このように ↓ 見え…
蛍光灯でライティングすると、 ↓ のように見えます。
楽しい仕事で、工房の皆さんも出来上がりを楽しみにしていました。
が、あっという間に納品してしまったので、ご覧いただけず残念でした。
せめて、ブログでお楽しみください。
こんな、素敵なプレゼントを考えるなんて!
親子っていいですね〜!
まだ、ご本人にプレゼントを渡されていないようですが、喜んでいただけたら、幸いです。
良い思い出ですね
最初に拝見した時、絵が素晴らしい!と思いました。小学2年生ってこんなに素晴らしい絵を描くのですね。歯、1本1本に表情があるのですよ!大人には描けないかも。残しておきたいと思いますよ。それがガラスの中にそのまま描かれいる。良い思い出ですね。私も4歳の時、子供が描いた「お母さん」を本の栞にしています。ちょっとガラスでは残せないな。