鳩山会館のステンドグラス 書斎など
これまで、先日訪ねた鳩山会館で見学した小川三知のステンドグラスをレポートしてきました。今日は、応接間、書斎のステンドグラスをレポートです。
ステンドグラス見学といっても、ステンドグラスをやっている者が見学するのですから、以下のブログ
● 2011.02.11 「鳩山会館のステンドグラス見学 食堂など」
● 2011.02.09 「鳩山会館のステンドグラス見学 五重の塔」
では、見学のポイントなどをお伝えしてきました。
今回は、「ステンドグラスの外側に透明ガラスが入っているかどうか」 、「どんなガラス使いをしているか」、「半田はどうなっているか」 を見てみましょう。
左の正面玄関の右脇の1階と2階に、マントルピースの煙突を挟んで小さな窓が左右に1枚づつあるのがわかりますか?
1階は応接間、2階は書斎で、どちらも小川三知のステンドグラスが入っていますが、外側から見てみると透明ガラスが当ててありましたね。
昔は、酸性雨などはありませんでしたが、最近では酸性雨の影響でガラスが腐食して薄くなってしまうのを防止するために、修復の際に透明ガラスをあてて収めるようになっています。
それから、 ウチの工房では全面半田をしていますが、点付け(交差点のみ半田付けする)をする工房も多いのですが、このパネルは全面半田してありましたね? 確認しましたか?
点付けではなく全面半田をした方が、鉛線の腐食防止になるので、長い目で見れば全面半田の方が私はいいと思います。鉛線って数十年たつと、かなりボロボロになるもんなんです。
さて、1階の応接間のステンドグラス。
暖炉の両側に一枚づつあります。
鳩をあしらったエンブレムのデザインです。
黒いグリザイユで絵付けがされており、背景はキャセドラルガラスで作ってあります。自然光もたっぷり入り、邸内の木々が映って美しかったです。
(暖炉の右側)
(暖炉の左側)
そして、こちらは2階の書斎のステンドグラスです。
こちらはオパルセントガラスだけで出来ていました。
丘の上に立ち採光は充分なので、このような不透明なガラスでも色はきれいに出ています。
晴れた日、曇った日、午前や午後・・・ と光の具合によって変化を楽しむのがステンドグラスということで、窓に入れるステンドグラスはキャセドラルガラスで作ると習った私には違和感がありましたが、このウインドウパネルをいろいろな日に見てみたいと思いました。
(お店などでは、自然光ではなくライトボックスで飾ることも多いので、オパルセントで作ることもあります。)
以上、何回かに分けて鳩山会館の小川三知のステンドグラス見学のレポートをお送りしました。