小笠原伯爵邸のステンドグラス見学
今日は、小笠原伯爵邸のステンドグラスのレポートをします。ランチでおなかいっぱいの後、邸内、小雪降る庭園を見学しました。
小笠原伯爵邸には3ヵ所にステンドグラスが入っていたそうです。
・「木立の中のエンジェル」 (現存せず。大廊下の奥)
・「ラウンジの4枚のパネル」 (現存するのは1枚)
・「ロビー天窓」 (現存)
「木立の中のエンジェル」は残念ながら現存しないので、「ラウンジの4枚のパネル」と「ロビー天窓」を見学してきました。
「ロビー天窓」の鳩が飛び交うデザインのステンドグラスは、小さい鳥、大きい鳥とで遠近感を出し、小さいパネルですが空に飛び出していきそうなデザインです。
鳩の羽、足、目などは絵付けがほどこされていますが、保存されていた写真をもとにイタリアで修復したものだそうです。
修復前の写真は工房にありますのでご覧ください。
前回のレポートでランチを食べたテラス、レストランの手前にラウンジがあります。
ラウンジにはパネルが4枚あったそうですが、そのガラスを使って1枚分を修復したそうです。
小花などのモチーフはオパルセント、背景はキャセドラルガラスを使っているステンドグラスで、当日は、外は小雪が降っていたのですが、窓の外側の木が揺れるとステンドグラス越しに風が感じられて素敵でした。
一枚だけ修復したので、ほかの窓はひし形にガラスが入っているだけでした。頭の中で、このパネルが何枚かあることを想像しましょう! のんびりとした待合室になりますよね。
これまで見学のポイントをいろいろ言いましたが、今回のポイントは「補強の仕方」です。
仕事がら、どんな補強材を使っているかをチェックしてしまいます。
下の方にデザインが集中しているので、下部を中心に補強棒が入っていました。種類の違う補強棒が入っているところを見ると、後から追加したようですね。
横浜市開港記念会館のステンドグラスの修復見学の時も、補強材の変遷を見てきましたが、「横浜市開港記念会館 修復記念誌」 でも説明されています。教室に置いてありますので、興味のある方はご覧ください。
以上、鳩山会館と小笠原邸のステンドグラスを見学しながら、ちょっとしたチェックポイントをお話ししてみました。今後の見学の参考になったでしょうか?
・いつ作られ、いつ修復されたのか?
・1923年の関東大震災の影響は?
・誰が作ったのか?
・どんなガラスをつかっているか?
・どんな手法(絵付け、ダブル等)を使っているか?
・酸性雨の影響は?
・ステンドグラスの外側に透明ガラスが入っているかどうか
・どんなガラス使いをしているか
・半田はどうなっているか