2013年 年末講師対談
2013年の営業は、12月28日(土)に終わり、生徒の皆様は、ご自宅の大掃除や、帰郷など、それぞれにお忙しくされていることと思います。
工房は、8日間お休みになりますが、年末年始の間にご自宅で制作するために、家で出来るところまで、工房で作業を進めておいた方も、多かったです。8日間と言ったら長いですからねー。
8日間といっても、我々講師の雑務は30日までやっていました。
工房のルーターや窯、サンドブラスト機など、今年も大活躍したいろいろな設備などにご苦労様と、大掃除をしてあげました。
パーティーは少なかったけれど、ティータイムや夜食の度に働いた、台所や冷蔵庫なども、お疲れ様でした。
というわけで、大掃除が一段落して、最後に、今年も「年末講師対談」 をやりました。
嶋本 : 今年2013年の最大のトピックというと、やはり 「イタリア ステンドグラス見学ツアー」 (http://www.miki-designkobo.com/2013jun/)でしたね。工房を休みにして、6月18日〜26日まで、15名でイタリアを巡ってきました。
高橋 : そうですね。これが、今年最大のイベントですね!
前の年から訪問地などの準備はすすめていたのですが、本当に直前まで、現地とのアポ取り&旅行社とのメールのやり取りで、今年の前半は、パソコンの前にいることが多かったです。
嶋本: そういえば、高橋先生は、ときどき 「ガラス切りたーい」 と叫んでいましたね。
高橋 : 2010年のドイツツアーの見学の時は、洋書を読みあさって、情報を集めました。2010年は、まだインターネットの情報が遅れていたり、信用できない記事などが多かったので、参考程度にしかならなかった事も覚えています。
でも、今回は、この3年の間にインターネットでの情報が増えていてビックリしました。
各訪問地のホームページが充実していたし、ブログで細かい情報もわかるようになっていました。
そんなわけで、テキスト作りも、つい色々なことを詰め込みたくなり、ずっとパソコンの前に・・・ というわけです。
嶋本: おかげで充実したツアーになりました。
テキストも充実していて、ステンドグラスを色々な角度から興味を持ってくれるようになって、よかったと思います。
イタリアツアーの詳細は、ブログで順に紹介していますので、ご覧ください。
http://www.miki-designkobo.com/2013jun/brit-blog.html
高橋 : 2010年のドイツツアーから帰ってきて、私は、旅の思い出にステンドグラスパネルを作った ことを覚えています。
今回は、6月のイタリアツアーから帰ってきて、その思い出を作品にして、9月のびどりを作品展 に出展している生徒さん達が増えたのには驚きました。
嶋本: 2ヵ月半の間に、旅の思い出を作品に! なんて、旅先である程度、構想がたっていないと、できないことですよね。
ふだんから、ステンドグラスの題材を探す目を持っている方が増えたということでもあります。
我々の海外ツアーも成果を出してきたのかもしれませんね。嬉しいことですね。
ところで、高橋先生、早くも次回のツアーの要望が多いですね!?
高橋 : はい、ドイツも好評でしたが、今回のイタリアもとても好評でした。
次回は? と聞かれることは大変嬉しいことです。
工房の第1回海外ツアー(35年位前)は、最古のステンドグラスがあるとされるフランス。
次は、日本のステンドグラスの技術はドイツから入ってきたので、ドイツ(2011年11月 催行済み)。
次は、ステンドグラスがルネサンスの影響でどう変わっていったかを学ぶために、イタリア(2013年6月 催行済み)。
アーツ&クラフツ、ラファエロ前派などの影響を受けたステンドグラスを学ぶために、イギリス。
アール・ヌーヴォーの影響を受けたステンドグラスを学ぶために、フランス。
オパルセントガラスが出来て、違うステンドグラス出来たことを学ぶために、アメリカ。
といった、アートのムーブメントの歴史に沿った筋書きでツアーを組んでいます。
まだまだ元気で生きていないといけませんねぇ。
嶋本: 教室の方は…
ここ何年か、好きな時にワークショップを、随時受講できるようにしました。
・「ラピッドマスクを使った繊細なデザインのサンドブラスト」
・「ガラスパウダーを使ったフュージング」
・「Gペン・ラベンダーオイルで描く絵付け」
その成果か、この技法ができれば、こんな作品が出来るかもしれない…
と、受講する方の熱心度が違ってきた、と感じます。
高橋 : あと、がらすらんど社が開催している、「ワンダーらんど」などのイベントで、いろいろな技法や小ネタを知ることも、よい影響になっているようですね。
嶋本: そうですね。皆さん、すぐに作品に応用しますからね。
なかには、我々講師の想像を超えた応用もしますね。
そういった意味では、講師は生徒に勉強させられることも、多々あります。
高橋 : びどりを展の作品の名前カードのところに、技法を書いているのですが、「私も、あそこに色々な技法を書けるようになりたいな」 という話しもよく聞きます。
嶋本: いろいろな技法を使うことだけが、上級者になったことではないけれど、確実に “楽しく” はなりますね!
新しいことに挑戦する、という事は、頭もやわらかくなりますし、いいことだと思います。
高橋 : 技法もいろいろありますが、ガラスもどんどん新作ができ、選択肢が増えましたね。
また、ランバーツ社、ウロボロス社、ブルズアイ社、ココモ社・・・などが、ガラスの新作をインターネットで紹介するようになりました。それを、Facebookなどを通じて、ガラスの色々な情報を得る生徒さんも増えましたね。
嶋本: 日頃、がらすらんどさんの倉庫などで、ある程度多くのガラスを見ている方なら、モニターで見た写真でも、ある程度は、想像できますからね。
ガラスの販売の会社の方々も、あの手この手で努力されているようですので、こちらも頑張らないと、ですね。
高橋 : 教室のメリットって、ステンドグラスの技術的なことだけでなく、社会のあらゆる情報の交換にもなりますよね。
嶋本: そうそう、ためになりますよね。
「いま、こんな詐欺がはやっているのよ」
「こんな時には、こういった言い回しをするのよ」
「あの展覧会は、おもしろかった」
「こんな風に食べるとおいしいのよ」
「昔、インターネットがない時には、こうやった、ああやった…」
「エクセルの関数は、こんな時はこれを使うのよ」
などなど・・・
そのほか、いろいろな地域の方言を教えてもらったり・・
パソコンの使い方のアレコレ・・・
などなど・・・
さまざまな年齢の人たちで会話しないと、出てこないような会話がおもしろかったです。
高橋 : 制作部の方は・・・
個人住宅の注文が増えてきたような・・・
修理や修復も増えてきたような・・・
あと、なんといっても、今年は、カトリック高円寺教会のステンドグラス修復が一番大変でした。期間も短かったし、規模も大きかったし…
2013.11.5〜2013.11.25まで12回に分けてレポートしましたので、お時間のある時にご覧ください。(一覧は、こちらhttp://blog.miki-designkobo.com/category.html?ct=102)
※ カトリック高円寺教会 のホームページ http://www.koenji-catholic.jp メインページの教会の紹介のところにも、リンクしてくださいました。
嶋本: この仕事でも、高橋講師はずっとパソコンに向かっていたような?
そうです。
企画書、見積書、定例会資料、記録書、報告書…
ガラスを触っている時間より、パソコンに向かっていた時間の方が長いです。
この修復工事にあたっては、ピッツォリーノの江本先生、多くの業者さんにご協力いただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。
今年も、いろいろ我々なりに、全力で頑張りました!
皆様にもご協力いただき、大変お世話になり、ありがとうございました。
来年も、いっそう頑張りますので、これからも、みきデザイン工房をよろしくお願いいたします。<m(__)m>
以上、年末の講師対談でした。
新年は、2014年1月6日(月)から営業いたします。
寒い日が続きますが、健康に気をつけてよい新年をお迎えください。