福沢諭吉の肖像画 (1)
昨年秋の私の個展で、バッハやシューマンのステンドグラスの肖像画を出展していました。
その際、お客様から、「ステンドグラスの肖像画」というのもいいですね、と何人の方からか言われました。ステンドグラスの肖像画は、海外では多いみたいですが、日本ではまだお目にかかることが少ないかもしれませんね。
そして今年年初に、「福沢諭吉の肖像画を」 というご注文をいただきました。福沢諭吉は、一万円札を手にする度に誰もが見ている顔! 特に誰もが知っている顔なので、緊張しますね〜。
まず伝記を読み、折しも上野の表慶館でやっていた「福沢諭吉展」を見たり、資料集めをしました。あらためて福沢諭吉の偉大さを思い知ることになりました。福沢諭吉は写真を撮られるのが好きだったということで、いろいろな写真が残っています。でもやっぱり一万円札に使われている写真が一番いいですね。
制作手順は、いつも通り、
1.デザインを描き、型紙を作る
2.トレペに絵付け部分の下絵を描く
3.絵に合った色ガラスを切る
4.ガラスを並べて、線描き(輪郭・模様の線など)をする
5.窯に入れて焼成する(約600度)
6.大きなガラス板に、窯から出したガラスピースを並べ、ろう付け(仮止め)する
7.全体にシェイディング(影付け)用の絵の具を塗り、乾かす
8.シェイディング(影付け)する(豚毛などの固い筆・針筆・割り箸の先などでハイライト部分をおとしていく)
9.ろう付けをとり、窯に入れて焼成する
10.ろう付けしたガラス板を掃除する
11.再度、ガラス板に窯から出したガラスをろう付けする
12.中間トーンを出すために、またシェイディングする(水彩用などの柔らかい筆でハイライト部分をおとしていく)
・・・と。
長くなってしまったので、この続きは次回お伝えすることにしますね。