ラベンダーの香りの絵付け(ワンダーらんど2012 レポ-3)
工房に入ってお酢の匂いがしたら、今日は誰かが絵付けをやっているんだな、と思ったものです。もしくは、私が黒酢(疲れた時の頼みの綱)をお弁当に振りかけているか…
最近、ステンドグラスの絵付けを、ワインビネガーではなくオイル溶きをする人が増えてきました。ウチの工房でも何年か前から話題になり、昨年あたりは、かなり増えてきました。通常はラベンダーオイルを使うのですが、私はこの匂いが苦手でね… まだポピーとかリンシードの方が慣れた匂いなんだけど…
ワンダーらんどの第一倉庫に入ると、いつもの倉庫とは違う匂い、そう、ラベンダーの香りが! 1階、「アトリエ・ビザビ」のブースで、若林先生がオイル溶きのグリザイユでシェイディングをデモしていらっしゃったからです。そのオイルがロイシュのラベンダーオイル。
スポンジを使って、あっという間にシェイディング、濃い色のグリザイユを小さ目のスポンジに取って、暗めの部分をシェイディング。
あ〜そうか、ハイライトをとっていくシェイディングではなく、濃い部分を足していくんですね。油絵などをやっていたという生徒さんが、ステンドグラスの絵付けをする時に、ハイライトを取っていくという(いつもと逆の)手順に慣れない方が多いのですが、この方法だったら馴染みやすいかもしれませんね。
ウチの工房でいま受けている修復の仕事のステンドグラスは、30年程前のステンドグラスですが、やはりスポンジでシェイディングされていました。スポンジを使ったシェイディングはフランスで習ってきた方に多いかな? 私が絵付けを教わった江本正実先生は、筆でもスポンジでも、刷毛でも、手でも・・・ 何を使ってもいいとおっしゃっていますので、自分の表現したいようにいろいろやってみるのがいいでしょうね。
線描きに手こずっている人でも、オイル溶きを試してもらうとスルスルかけるようだし、オイル溶きだと乾きにくいので長い線を描く時に描きやすい… 描いた後乾かせば焼かなくても絵の具を重ねられる… 。
シェイディングも重ねていける。
エマイユもオイル溶きだとムラになりにくい・・・
などメリットはいろいろあるので、匂いが嫌とも言っていられず私も使っていま〜す。
お酢で溶くのと、オイルで溶くのとでは、焼き上がりのニュアンスが違いますので、作品によってうまく使い分けるといいと思います。
また、細かいところは筆でなくGペンを使ってみたり、オイルで溶いてみたり、簡単にできるようになってきましたので、皆さんも絵付けで作品を作ってみてくださいね!
以上、高橋のレポートでした。
【これまでのレポート】
●倉庫での出会いを求めて(ガラス選び) (ワンダーらんど2012 レポ-2 )