2018/01/29  (月) 

訃報

みきデザイン工房の創業者 田中幹敏先生が 118日(木)夕方 老衰のため安らかに永眠されました

ここに心から哀悼の意を表すとともに 謹んでお知らせいたします

享年92歳でした

               

お通夜(大雪のため中止)・告別式は 既に近親者で執り行われました

                             

                          

 

               

               

               

              

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田中幹敏先生は、東日本で最初の本格教室として みきデザイン工房 を創業し、日本のステンドグラス教室の発展に多くの功績を残し、天寿を全うされました。

本日は、田中先生を偲び、少し書かせていただこうと思います。

              

              

田中幹敏先生は、1926年(大正15年)生まれ。1977年にみきデザイン工房を創業し、技術本の発刊、使いやすい工具の発案など、精力的にステンドグラスを広める活動をされてきました。

              

1981年には、「ステンドグラスグループ びどりを 第1回作品展」 の開催にご尽力いただきました。
              

             

それからは、常に新しい表現方法・技法を模索し、われわれに色々な可能性を伝授してくださいました。

1999年の第19回びどりを作品展の後、病に倒れ、上の写真のランプ 「春の使者」 が最後の出品作となりました。

(このランプは、30回 びどりを作品展の記念カレンダーの表紙になりました

               

              

              

その後、長らく老人介護施設に、同じく病気療養中の奥様と同室で入所しておられました。何度かお見舞いに伺いましたが、遠いので頻繁に行けず、毎月みきデザイン工房のブログ(当ブログ)をプリントアウトしてお送りしていました。いつもじっくりと読んでくださり、感想をハガキで送ってくださいました。

               

毎年秋のびどりを作品展をとても楽しみにしてくださり、2013年の第33回展までは、ほぼ毎年ご来場くださいました。

 びどりを会員は、20年、30年と続いている方々が多いので、会場で田中先生とお会いできるのは、私たちにとっても大変嬉しいことでした。

               

               

              

田中幹敏先生から教わったことはあまりに多すぎて述べきれません。

しいて挙げると・・・

              

 ・常に創意工夫!

            

 ・裏表関係なく、すみずみまで丁寧に作ること

            

 ・どんな小さいものでも考えるのは大変なので人の真似ばかりしないこと

            

 ・既製のデザインやレプリカ作りではなく、自分のデザインを描くよう努力すること

            

 ・最初に全体像を自分でイメージするようにすること

         

でしょうか。

               

              

この写真は、

現在、みきデザイン工房のエントランスにはめ込まれているステンドグラスパネルです。

1994年 田中幹敏作 「渦 -その永遠なるもの- 」
第14回 びどりを作品展出品 )

              
              

              

我々講師二人、最初に田中先生の厳しい教えのもと育ちましたが、その厳しさが本当にありがたかったと思うことが多々あります。このパネルを見て、毎日その教えに心から感謝申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

               
              

   

              

              

下記コメント欄に、皆様の思い出・心に残っているエピソードなど書きこんでいただければ幸いです。

             

             

※ 田中幹敏(みきとし)先生のプロフィールは、

 「みきデザイン工房 沿革」 をご参照ください。

            

             


                          

  

               

| コメント(8)

この記事へのコメント

 悲しいです

 新参者の私は、直接ご指導いただいたことはありませんでしたが、びどりを展で作品を見て頂けることが嬉しかったです。ご挨拶するといつもニコニコと応じて下さり、高橋先生、嶋本先生が「田中先生は厳しかったから」とおっしゃるのが信じられませんでした。また、お会いできると思っていましたので、残念でたまりません。ご冥福をお祈りします。

 残念です

 長い間ご闘病が続いていらっしゃいましたが、毎年の「びどりを展」にお出ましくださり、お会いできるのをたのしみにしておりましたのに残念でございます。私は、田中先生にお習いしました最後の方の生徒ですが、先生の方針として、既製のデザインでなく、自由に自分のデザインで作品を作ることが出来るということが、工房に入るきっかけでした。田中先生が自らデザインをお描きになられていらしたことを思い出します。今でも田中先生の方針が、しっかりと嶋本先生、高橋先生に受け継がれております。
 どうぞ安らかにお休みくださいませ。ご冥福をお祈りいたします。

 ありがとうございました

田中先生の訃報に際し昔々の思い出を書かせていただきます。京橋での第2回びどりを展を拝見し入学しました。土曜日週1回しか通えず、なかなか作品が完成せず、皆さんのようにできず黙々とカットをしていますと先生に見放されたように感じてしまいました。12回展に牡丹の衝立を出品しました。何百ピースもあり、毎日のように夜家でカットし、土曜日に工房に持っていき下絵に合わせる(田中先生と当時アシスタントをなさっていた嶋本先生が並べてくださいましたが)という日々で、やっと完成し衝立の枠に入れることができたのはびどりを展前日か前々日。それから梱包し遅くに帰りました。やっと納得ができる作品ができ、みきの生徒になれたと思ったことを思い出しました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

 寂しいです

希望の教室が見つからず落胆して乗った電車で、ミキ工房の広告看板を見つけて新大久保に降り立ってから早や30数年。ほぼ毎週土曜には通い続け、田中先生との想い出が多すぎてただただ悲しいです。いつも温かく見守ってくださり、私のつたないデザインをどの技法で表現できるか一緒に考えてくださいました。変わった形の制作物にも、ニコニコと治具や灯具も手作りして頂きました。私がステンドグラスを長く続けているのは、まぎれもなく田中先生のおかげです。ありがとうございました。安らかにお休みください。ご冥福をお祈りいたします

 ありがとうございました

1981年から会社帰りのお稽古としてみきデザイン工房に通っていましたが、1985年頃からバブル期に差しかかりました。ファミレスチェーン・居酒屋チェーン・喫茶店チェーン・ハウスメーカーS… 新店舗がオープンする度に大量のステンドグラスの納品で忙しくなったのです。そこで、会社勤めは週3日にして、注文制作部門を手伝うようになりました。

仕事が終わってから工房に行くと、コーヒーの豆をガリガリと挽いてコーヒーを淹れてくださいました。“喫茶みき”のマスターみたいだね、と言われ嬉しそうに笑いながら、皆とコーヒーを飲んでからステンドグラスを作りました。年末には奥様がおでんを鍋いっぱいに作ってきてくださり、暖まってホッとしました。そんなアットホームな雰囲気を続けるようにしてきました。

仕事上の思い出と言えば・・・ うまく仕上げられずにいると「困ったねぇ〜」と言いながらサッと直してくれることもありましたが、たいていはやり直させられ、プロの仕事というものを学びました。田中先生と仙台の結婚式場にステンドグラスを取付けに行った時は、日帰りで往復運転する私を気遣って、しょっちゅう途中のサービスエリアで休ませようとしたこと、甲府の喫茶店に取付けに行った時は、納品中とは思えないほどおいしい食事をごちそうしてくださったこと、など色々思い出があります。

先生の真似といえば、「叩いちゃ だめだよぉ〜」かな。
生徒さんを“目で見て”はいないけど、“耳で見て”いるので、変な音・違和感がある音がすると、すぐにこの言葉を発していました。特にタッピングが嫌い? だったな〜。
タッピングボールやマルトリンを使いこなせない生徒さんが多いので、タッピングを推奨していませんでした。でも、タッピングしないと割り取れないことも多々あるので、私はタッピングしますが、高いガラスをこなごなに割って無駄にしてしまわないようにという配慮だったと思っています。


昨晩2018年1月31日は皆既月食でしたが、細工が好きな田中先生が天体ショーを細工しているのかなぁ、なんて思いながら昨晩の月を眺めていました。ご冥福をお祈り申し上げます。

 ご冥福をお祈りいたします。

作品展の時に何回かお会いしただけでしたが、その先生のお姿はとても、印象深いものでした。1つ1つの作品を熱心にご覧になられて、本当に、心から、ステンドグラスを愛しておられるのだと、感動したものです。
天から、差し込む光に田中先生の魂を感じたいと思います。

 ありがとうございました

28年前、イェローページを見て、ステンドグラス教室を探しました。好きな時間にお稽古に
行けるとのことで、即決で入れて頂きました。田中先生も嶋本さんもとても厳しく指導してくださるのですが、全てマイペースでアバウトな良い生徒とはとても言えない私が、今まで続けて来られたのは、みきデザイン工房の居心地の良い雰囲気でしょうか。田中先生から嶋本さん、高橋さんと受け継がれています。素晴らしい後継者を得ています。どうぞ安らかにお休みください。

 [無題]

とても長いお付き合いでした。夜を徹して先生のことを語りながらお送りする代わりに、このブログの存在に感謝いたします。細く長くステンドグラスを続けていますが、すべて田中先生にお会いできたお陰です。若いころは大きいものもいくつか作りました。突進しすぎて何度もお手上げ状態になりました。でも先生に泣きつけば、いつでも何とかしてくださいました。多面体のランプのサイズが違いすぎて組みあがらない時、絶体絶命と思いましたが、グラインダーで削ろう!!とおっしゃって、几帳面な先生にはありえないような大胆なやり方で助けてくださいました。そんなことが、劣等生の作りたがり屋だった私と先生には何度もありました。先生の言いつけを守らない劣等生徒も見捨てられることはなかったのです。びどりを展で一つ一つを丁寧にご覧になって、嬉しそうに満足そうになさってましたね。づう〜っと見ていて下さい。先生ありがとうございました。

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