モールドで作るランプ
最近、制作中のランプを置いておく棚がいろいろな方の作品で賑やかになり、観葉植物の鉢が追い出されがちになってきました。「あれはどなたのランプですか?」、「これは?」 と皆さん、楽しそうにご覧になっています。曜日が違うとまったく会わないという方も多いですからね。
今日も、「4面ランプ」の組み立て、「モールドで作るランプ」などに、光を入れてみました。 作業している方も手をとめ、工房の電気を消して、初めて光を入れて見る瞬間です。“点灯式” と呼んでいて、制作者も他の皆さんもワクワクの瞬間です。
4面のランプは一面一面を電気を入れて見ることができるので、おおよそ予想はつきますが、モールド(エポキシ樹脂・発泡スチロール・硬スチロール・プラスティック・木製・ダンボール)の上にガラスを沿わせていくランプは、全体のガラスの色や透け方のバランスを想像しながら作っていかなければなりません。全体のバランスを予想するには、経験が必要になってきます。
今日、“点灯式”をしたモールドを使ったランプは、当工房のオリジナルのモールドで、裾つぼまりのモールドです。
同じモールドで、以前に、工房の創立者の田中幹敏先生が作ったランプを見て見ましょう。
ご覧のように、裾に向かってすぼまっています。
このような形ですと、全部のガラスをつけてしまうとモールドを取り出せなくなってしまいますので、任意の二箇所は上から下まで半田をしないでつけて行きます。半田をつけ終わったら、卵を割るように右側と左側に分けておいてモールドを取り出し、最後に二箇所を戻して半田付けします。
右側と左側にパカンと分けた瞬間は、他の生徒さんもいったいどうなることかと、「ヒェ〜」 と歓声をあげていました。
そして、“点灯式”! 制作者の方は、光を入れてみたところ、ほぼ意図するイメージに合ったようで、大変喜んでいらっしゃいました。完成が待ち遠しいです。