2011/09/03  (土) 

ステンドグラスの補強 -2

前回、「ステンドグラスの補強」 のブログのコメントでぴよぴよさんからリクエストがありましたので、予定を変更して補強材の説明を少々。

 

なかなか写真を撮ることはないので、写真を探すのに一苦労しましたが、ピンボケながらこんな写真がありました。わっかるかな〜? 

このように、しんちゅうの平板を 「立てて」 つけています。

 


 

デザインの邪魔をしないか? というと…

右の写真では、ステンドグラスの背面に縦、横に補強がわたっていますが、どうですか?

 

 

あまり気にならないでしょ? もちろん使うガラスにもよりますが…

もっと全体がわかる写真を探しておきますね。

 


ステンドグラスのデザインや、大きさによって補強の本数や補強を入れる場所はかわります。補強材は時代ごとにも変わってきたし、工房ごとにもいろいろな補強の方法があります。

以前、見学した、横浜開港記念館 を見学しに行った時にも、いろいろな補強材が使われてきたという説明を受けました。下の写真がそうです。

丸棒を針金でつけているのもあれば、鉄の棒を金具でとめているものある…

イロイロです。

 

 

 

日本はステンドグラスが入ってきてから100年になるので、国内のステンドグラスの修復をすることが多くなりましたが、補強に関して気づくことがあります。補強材をとめている針金が特に腐食していることです。もうボロボロで… 手でもむと粉になってしまうくらいです。ですから縦横にわたっている補強材が頑丈でも、補強の意味をなさなくなっていることが多いのです。

それから、全面半田している鉛線の方が、点半田の場合よりも腐食が少ないです。

・・・って、今日は補強の話しでしたよね。話しがそれました。

 

とにかく、補強の方法はいろいろあるので、ブログではなかなか説明しきれません。機会があったらまた説明できるように、写真を撮っておくことにします。

 

修復をすることで学ぶことは多いです。ぴよぴよさんも古いステンドグラスがあったらどんな補強をされているか、どこが痛んでいるかを注意してご覧になったらいかがでしょうか? そうすれば長持ちさせる秘訣がわかるはずです。


| コメント(5)

この記事へのコメント

 ありがとう、ぴよぴよさん。

ぴよぴよさんのお蔭で、鉛船が苦手な私も勉強になりました。
ぜひ、びどりを展に来てください。

先生、次は修復を学ぶ旅行はいかがでしょうか???

 [無題]

わぁ〜、嬉しいです!!
こういうのって中々見れないから、
本当に嬉しいです!!
私の質問の為に、わざわざありがとうございます♪
猫三匹さま、展覧会へのお誘いありがとうございます。
出来れば伺いたいと思ってはいるのですが・・・・・。
ところで、私が過去に見たことある補強は、
丸い棒が針金でつけてある、まさに上に載っている写真のようなものでした。
先生、わがままついでに、
ぜひそのうち、
真鍮の平板の交差する所を教えてはいただけませんか?
お願いします!!

 [無題]

猫三匹さん
修復を学ぶ旅… いいですね。ケルン大聖堂の下の工房で修復作業しているのを見ましたが、中に入りたかったですよね。

ぴよぴよさん
熱心に読んでくださり、ありがたいです。
交差する所も重要ですが、補強棒の端の始末など、ポイントとなる点はたくさんあります。補強は、一つ教え始めるときりがない部分です。
昨今、廃業する工房や教室が増えています。教えることを生業としている仲間に、Web講習が与える影響を考えると、いじわるではなく、「ここからは工房で」ということにしたいと思います。実演せずに説明するのも大変ですので、ご理解をお願いいたします。
ただし、展覧会会場などでお教えするのはやぶさかではありませんので、是非おいでください。

 [無題]

もともと手で作ることは、
実際に見て教えてもらわないとですよね♪
もちろん、いじわるなんて思いません(笑)。
でも、これからもどんどん質問していくので、
答えて問題ないことは教えてくだされば嬉しいです!

 [無題]

ぴよぴよさん
はい、これからも当ブログをごひいきにお願いします。

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