被災したステンドグラス、復活!
「震災」、「修復」と聞いたら、“関東大震災” を連想する方が多いと思いますが、1995年の “阪神・淡路大地震” でやむなく取り壊された、神戸の 中山手カトリック教会 のステンドグラスが、高松の カトリック桜町教会 で再び輝いているという話しです。
聖書のお話しが描かれた40枚のステンドグラスは、1965年に、神戸在住の外国人駐在員や領事、信徒さんらが寄付を集め、フランスのシャルトルにある、ガブリエル・ロワールさんの工房に注文したものだそうです。本当に立派なステンドグラスです。
(先代の田中幹敏先生が、生徒さんを連れて、ロワールさんの工房に見学に行ったと言っていたなぁ・・・ ロワールさんと言えば、ステンドグラスをやっている人なら誰でも知っているくらい有名。箱根彫刻の森美術館の「幸せを呼ぶシンホフォニー」もロワールさんのです。)
中山手カトリック教会は、1995年の“阪神・淡路大地震” で、屋根が崩れ落ちたり、建物に亀裂が入ってしまい、取り壊すほど被災したのに、ステンドグラスはほぼ無傷だったそうです。すご〜い! と思ったら、このステンドグラス、ステンドグラスといってもダルドベールなんですね。(ダルドベール:厚さ30mmほどのガラス板で出来ているステンドグラス。ダルドベールに関しては、後日、ご説明しますね。)
中山手カトリック教会にあった時のステンドグラスをサイトを見つけました。
"ゴシック建築「中山手カトリック教会」想い出"
本当に、すごい! ステンドグラスですね。このサイトもすごい! 長い間祈りの場であったわけですから、信者さんたちの思い入れが、たっぷ〜り入ってますね。
その教会跡に2004年10月、「カトリック神戸中央教会」 が新設され、ステンドグラスの一部だけは使われたそうが、ほとんどは倉庫で眠っていたのだそうです。
そして、今年2009年1月、神戸新聞には、「神戸の輝き、高松で復活 被災教会ステンドグラス」 というタイトルで記事が載っていました。
高松の カトリック桜町教会 のサイトを探してみたら、「ステンドグラスのページ」なども出来て、取り付けの様子なども見ることが出来ました。
まだ、すべてのステンドグラスが復活したわけではありませんが、順次、再び光の元で見ることができそうです。
このようなステンドグラスが日本にあるなんて! 日本の宝です。しかも、このような形で光を取り戻したなんて!!! ステンドグラスに携わるものとして、本当に嬉しいことです。